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それから公助というのはどういうことかと言いますと、まずは施設などを適正にあちこちにたくさんつくり、皆さんにどこでも医療・福祉が連携した質の高いサービスが提供できるということも行政の仕事でありますが、もう1つはボランティア活動をコーディネートしていくというのも行政の仕事です。例えば社会福祉協議会の援助をするということもありますが、ボランティアセンターで昨年(95年)から始めました個人ボランティアの登録事業を行っておりますし、来年10月(97年)には「市民福祉プラザ」がオープンいたします。
今、実際にボランティアをやってくださっている方は市民の5%なのですが、ここでは実際にボランティアをやってくださる方を30%にまで引き上げようとしています。この「市民福祉プラザ」の啓発活動、それからいろいろな支援活動によって市民の30%が実際にボランティアに関わっていただけるような、いろいろなシステムづくりをしていこうと考えておりますので、これについてもよろしくご協力をお願いしたいと思います。
先ほどのタイムダラーのように、もっともっといろいろな形のボランティアがあっていいわけです。そこで、今年の秋にアメリカのボランティアを市民の方に勉強してきていただいて、学んだものを福岡市に持ち込んでいただこう、そういう活動をしていただくプログラムが始まります。これにも協力していただきたいと思います。ともかく、いろいろな活動、いろんな形のボランティアを私たちも支援していきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

 

田中 ありがとうございました。では植木さんのほうから福岡市の政策等をお話いただきましたので、経済団体としてボランティアを支援している側の柿本さんにお願いします。市としてはあのような形でいろいろボランティアについての支援策をお考えです。通常のボランティアの勉強会ですと、経済界から来ているというのは珍しいのですが、わざわざ経済界からお見えになった理由がございますので、そこをまずお話を願いたいと思います。それでは柿本さん、お願いいたします。

 

●社会貢献の一環としての企業のボランティア認識

 

柿本 ボランティアと経済界とあまり関係がないと言いますが、今、経営者の方々は非常にボランティアに関心をもっております。ボランティアといってもいろいろなタイプがあると思いますが、そこにいく前に、企業というのはやはり「儲けること、収益をあげる」ということが従来から一番大事だと考えてきました。ある経営者は「収益をあげて雇用を確保することが社会に貢献しているのだ」という認識が非常に強かったわけです。ところが今ボーダーレス化、国際化が進んで参りますと、そうも言っていられません。やはり地域に密着した、地域に根付いた企業として、地域に受け入れられる企業でないと今後成立していかないわけです。特にもう高齢社会になっていると思うのですが、こういう高齢社会に高齢者をないがしろにする企業は存立を許されないような状況になってくるということです。
製造業や流通業などのいろいろな企業のトップの方々が、非常にこういうような認識を

 

 

 

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